‘懐かしい~’
教科書を見ながら声を漏らすパパ。
「……オム…ライス」
「……オムライス?じゃあ作ってくるね」
教科書を手渡され、パパは席を立った。
「……あり…がとう」
その言葉に、パパは笑うと…キッチンへと向かっていった。
その途中、ソファで眠るお母さんの肩を揺すって
「…いい加減起きろ」
とため息混じりに言った。
「……ん……なぁに…」
目を開いたお母さんは、心底嫌そうにパパを見つめる。
「…風邪引いてる奴がここで寝るな。バカ」
そう言って軽く額を叩く。
「…風邪じゃないし。ただ疲れてるだけだし!」
「何言ってんだよ……7度4分で高島せんせ~薬下さ~いって高島にしがみついてたくせに」
「黙ってッ!」