あれから20分がたって、俺と季蛍が遅刻寸前になっても愛優は部屋から出てこない。 季蛍と荷物を持って愛優の部屋にいくと、ベッドの上でうずくまって座る愛優がいて。 でもちゃんと着替えていて。 行く気がないのか、体調が悪いのか。 「…蒼、」 「季蛍荷物持って。……ごめん」 季蛍に荷物を手渡して、俺はうずくまる愛優を抱き上げた。 「……ちょ、」 「いつまでそうやってるつもり?」 おろして、と言う愛優だけど、抱えたまま家を出て車まで向かった。