──翌朝
支度をしていると愛優の部屋から言い合う声が聞こえた。
「なんでよ!!何で病院に行かなきゃ行けないの?」
「2週間も体調悪くて学校休んでるんだから、当然でしょ?」
「…大丈夫って言ってるじゃん!!」
「大丈夫じゃないから休んでるんでしょ!!」
ついかっとなっている季蛍の肩を軽く叩くと、ハッとしたように部屋を出た。
「あんまり怒鳴るな。……愛優も興奮しちゃうから」
ベッドに座る愛優の肩は軽く上下していて、やっぱり興奮しているようだった。
「愛優着替えて。病院行くから」
「…………」
‘そうやってパパも…’
小さく呟いて俯く愛優。
「……薬もらってくるだけだから。着替えて」
だけど愛優は、動こうとしなかった。


