それでも蒼に報告されるのは嫌で、高島先生の後を追いかけた。
白衣を掴むと、振り返った高島先生はため息をつく。
「……ハァァ。離して」
「嫌……です」
「あのなぁ」
高島先生は私を見下ろして、呆れたように
「…結果は伝えるのが当たり前。いつもは蒼先生の奥さんかもしれないけど…今は季蛍は患者さん」
目の前に私のカルテを差し出され、何も言えない。
「これ季蛍のカルテ。……俺は季蛍の主治医。蒼先生は季蛍の家族だろ?
俺には伝える役目がある」
「…うぅ…」
何も言い返しのできないような言葉を並べられて…黙りこくってしまった。
「…わかったら手を離せ」
「………」