「じゃあ帰るな。遅くまでごめん、ご飯まで…」






「陽さんまだ寝てるよ?…起きたらにしたら?」






「そんな長く迷惑はかけられないから」







「んなことないよ…」








「朝早くから夜遅くまでなんて…季蛍さんだっているんだし……。帰る」







「………」








「陽、どこに寝てる?」







「あ、そこの部屋です」







季蛍が部屋のドアを開けて入っていくと、港もそれに続いて部屋に入っていった。







しばらくすると陽さんを抱えて港が出てきて。







「じゃあ…ほんと、お世話になりました」







「いえいえ」





「…また何かあったらうちに頼れな」







「ありがとう…」








「おやすみなさーい…」








手を振って送り出した季蛍は、








「港くん、きっといいパパになるね」






と言って笑った。







「俺もそう思う」







「……蒼もいいパパだよ?もちろん」







「……。






照れるからやめろ」








「あ、顔真っ赤っかだ!!」







「………。るさい…」







「蒼ってすぐに照れるよね」








「照れてないよ!!」






「……んふふ」






クスクス笑う愛らしい季蛍だって、




‘いいママ’




だろ、って思うけど…





俺は素直じゃないから言わない。