「赤ちゃん、順調みたいで良かったですね」
「あ、うん。……この間はお腹壊してびっくりして病院におしかけちゃったんだけどね」
「あ~、蒼が言ってた…」
「……ん?」
パソコンを見つめていた蒼くんが反応すると、季蛍さんは
‘なんでもない’
と笑いながら首を振った。
「…今は大丈夫そうですか?」
「うん、腸の調子を整えるお薬もらって…飲んでるから」
「そうですか、なら安心ですね。妊娠中はお腹下しやすいらしいですし」
「私知らなくて…病院に電話なんかしちゃって」
「そんなこともありますよ、初めてですもん!!」
「へへ、そうだよね…」
季蛍ちゃんはまた笑うと、紅茶をひとすすりした。