「おじゃま…します」





「どーぞどーぞ!!」






季蛍ちゃんに出迎えられて、家の中に入る。







「特におもてなしはできないんですけど…ゆっくりしていって下さい!」







「ありがとう…」







リビングでは蒼くんがパソコンを眺めていた。







「あ、陽さん。いらっしゃい」







「お邪魔します…」





「港はもう仕事行った?」







頷くと、蒼くんも頷いた。






ソファに腰掛けると、目の前の机に湯気を立てた紅茶が置かれた。







「…港くんから聞いてます。最近気分が優れないって」







「…あ、そうなんだ」







「気遣うことないので」







そういって笑った季蛍ちゃんは、キッチンへ入っていく。





本当に、暖かい人たちだ…なんて感じながら。