「そう。階段で足滑らせてその後転けたって」
「……ばかぁ」
泣いている凜の涙を親指で拭ってやる。
「足診せてほしいけど嫌だって。俺嫌われてる」
そういって港は眉を下げて笑った。
「……ってか港帰んなくていいの?昼だよ」
「……なんで?」
「この間昼にはもう帰ってただろ?陽さん、大丈夫なのか?」
「あー。陽のことか、今日俺の実家にいる」
「…実家」
「そ。今日は夜までいるつもり。俺の母親が陽のこと見てくれてるから」
「……そっか」
「まぁ凜さん最後だけどね、午前中の外来は」
「凜が終わんないとご飯行けないってこと?」
「ご飯の心配してんの?」
そう言って港は笑った。
「昼飯なんていつでも食えるよ。大丈夫」


