オペが終わると、白衣を羽織って伝えられた場所へ走った。
ゆっくりドアを開けると、いつも陽を診てくれる先生が座っていて。
陽はというと、ベッドで寝息をたてていた。
「陽、」
「あ。よかった、来れたんですね」
「すみません。オペに入ってしまって」
「そうでしたか。でも陽さん、よく頑張りましたよ」
「陽…、大丈夫ですか?」
「お腹を下してるみたいですね。今妊娠してるから…赤ちゃんに何かあったと勘違いして慌ててしまったみたいです」
先生はそう言うと、顔を綻ばせて笑った。
「…下してる?」
「はい。赤ちゃんは順調ですし元気です。下すことなんてよくありますから。安心して下さい」
「……なんだ、よかった…」