薬を待っている時、友那はずっと俺に体重をかけていた。
「…友那大丈夫?」
「…ちょっと……気分が…悪くて……」
「…吐く?」
「……かも」
そう言う友那を抱き上げて、待合室にいる看護士に声をかけた。
「…あッ気分悪いですか?ここ入ってください」
そう言われ診察室と隣接した処置質へ入る。
「友那」
ビニールがかけられた洗面器を渡せば、壁に体を預けてボールの中に顔を入れた。
「…友那、全部出しちゃえ。楽になるから」
コクンと頷いた友那は、咳込みを繰り返す。
「……あ、気分悪くなっちゃった?」
看護士から聞いたらしく、診察室から蒼先生も顔を出した。
「…どうしちゃったんだろ…、熱出してから随分たつんですけど」
「こじらせちゃったかな?」
「…今薬飲ませても大丈夫ですかね」
「でもまた戻しちゃうかもしれないからな…。様子見て少し落ち着いてからの方がいいかも」
「……そうですね」
「にしても高島よかったな、今日午後からで」
「あぁ、はい。ほんと奇跡ですよ」


