名前が呼ばれて、診察室に通される。 友那は少し遅れて俺の後を歩いた。 ──ガラガラ 「あ~よかった、蒼先生」 「……ん?」 パソコンを見ていた蒼先生は、不思議そうに振り返った。 「あ、いや…こっちの話です」 「俺でよかった…って?」 「聞いてました…?」 「聞こえてました。うん、友那さんそこ座らせて」 俺の後ろで身を隠していた友那を椅子に座らせた。 「熱やっぱり下がらなかったのか」 「上がっちゃったんですよ、今朝」 「んー……」