その後高島が点滴を持っていて、彼女に声をかけている。





「入った?」








「それが…すごい力が入ってて。全身ガチガチなんですよ」








「…はは、緊張してるのかな?」








「…多分そうだと思うんですけど。




友那…、息吐いて体の力抜いて」








「…ムリだよ、力なんて抜けな…い」








「こんなに力が入ってるんじゃ…点滴刺すと痛いよ」







高島は彼女の腕を優しく揉みながら言った。







「深呼吸して。……点滴は怖くないから。緊張しなくて平気だから」









「だって……」







「…滅多に風邪で病院に来ないから…点滴の経験があまりないんですよ、多分」








「そっか…寝てれば治っちゃうんだもんな」








「はい…」








「まぁ……もう刺して。点滴一瞬だから」








「そうですね、あんまり長くこうしていてもあれですし」








そう言って高島は彼女の腕を見つめる。








「友那刺すね、できるだけ力抜いて」








それを聞いてか、友那さんの体から少しだけ力が抜けると、高島は点滴を刺した。









「じゃあ終わったら呼んで。島内さんが飲み物持ってくると思うから…飲ませておいて」








「わかりました」