シャーーッ………──── 診察室のカーテンを開けると、蒼先生が頭を抱えてベッドに座っていた。 「蒼先生」 「…ん?あぁ……」 「頭…痛いですか?」 「うん…」 「そろそろ……21時ですよ」 「そっか……」 蒼先生は左手に額を預けて、少し唸った。 「俺の患者さん…大丈夫だった?」 「あ、はい。季蛍も回ってくれましたし、大丈夫です」 「そっか……」 蒼先生は掛かっていた毛布を軽く畳むと、 「…迷惑かけてごめんな」