だけど果織ちゃんの病室から帰ってきて、一息つきながらカルテをぼーっと眺めているときは……さすがに怠そうに見えたんだろう。








「蒼先生…熱上がってるんじゃないですか?」








「……大丈夫、ちょっと頭痛があるだけ」








「いや、上がってますよ。体温計って下さい」










高島に体温計を渡されて、渋々受け取る。








「我慢しちゃダメじゃないですかー…」








季蛍に俺が言うように、高島は言った。






「我慢してない……。今朝から頭が痛いだけだから」








体温計を受け取るのはいいものの、高島が医局を出て行ったことをいいことに俺は体温計を机の上に置いた。








さすがに熱を計るのは気が引ける……。