「言ってくれなきゃわからない」







「……ゆり…子さん…」








「ゆり子ちゃん…家に来た?もしかして」









コクリと頷いた季蛍を見て、ホッと溜め息をつく。








「……何か言われた?」








「………」






「……はぁー…ごめん、季蛍」








身を小さくする季蛍のことを軽々抱えて、ソファに腰をかける。








「…何か言われたんだ?」







「……ッ」








季蛍は俺の首元に顔をうずめて、少しだけ首を振った。








「言われたんだろ?…ゆり子ちゃんに」









「……言わ………れた」








「何言われた?」