少し遅れて来た蒼先生は、なんだか疲れた顔をしていて。
「……どうしたんですか?」
学校の保健室で鏡を見て髪を整えながら聞いてみた。
「…どうしたって………季蛍が」
「……またワガママでも言いました?」
「……俺…なんか心配」
「…大丈夫ですよ。本人は病院行かないって言い張ってるわけですし」
「………………」
「わかりました、じゃあ今日季蛍に連絡取ってみます」
「あー……助かる。ありがとう」
「はい。……にしても何百人という生徒を診るんですか。耳がおかしくなっちゃいそう」
「……はぁ……愛優が万が一俺に当たった場合……」
そう言って方をすくめる蒼先生を見てると、やっぱり父という面影を感じる。