隣で見つめてくる季蛍に処方箋を渡せば、四つに折って白衣のポケットに突っ込んだ。
「もうッ……高島先生裏切らないって言ったのに…」
そう言って季蛍はコンビニの袋の中から出されたサンドイッチの封を開けた。
「裏切るも何もなーいの」
「………。」
体調が回復した季蛍は、食欲も無事戻ったらしい。
「蒼先生も何か食べた方がいいですよ?午後もあるわけですし」
「……だって」
「蒼……食欲ないの?」
「蒼先生寝不足だから食欲ないって」
高島の答えに俺は少し頷く。
「……ふーん…。はい」
季蛍の手が伸びてきたと思えば、ハムとレタスが挟まれたサンドイッチを渡されていた。
「……ありがと」
「食べないと倒れちゃうよ」
機嫌が斜めじゃなくて…とりあえず良かった。


