体調が回復して、仕事に行くようになってから蒼の帰宅時間が大幅に遅くなった。
それは仕事で遅くなっている訳じゃなくて…知り合いと会うためらしい。
聞けば高校生の時の同級生って言っていたけど、さすがに毎晩会うなんて……。
今日も1:00に帰宅した蒼。
「おかえり……。」
「ただいま…先寝てて良かったのに」
「………ねぇ、同級生って何て人?」
「え?」
「なんで毎晩会ってるの?」
「………」
「……何話してるの?毎日」
仕事で疲れてすぐに帰りたいはずなのに、いつも同級生と会うから、と遅くに帰る。
「…ゆり子ちゃんって子」
「え?女の人なの?」
「…うん、ゆり子ちゃん医療関係で働いてるから。相談があるって言われて」
「……毎晩毎晩相談されてるの?」
「うん…まぁ………でも本格的なことは話してくれない。最近はずっと今の仕事場のこと。
相談って何?って聞くけど……向こうはいつも話逸らす。何か言いたそうだけど」
「……毎晩どこで話してるの?」
「病院近辺のカフェ。」
「遅くまでやってるところ?」
「そう」
そう言って蒼はネクタイを緩めた。