フラつく足取りで、季蛍はリビングの椅子に座った。 「お鍋食べる?」 「……食欲がない」 「………。」 「パパ、夏!!」 キッチンにいた愛優が顔を出して叫んだかと想ったら、夏来の手が鍋に触れた。 …………ヤバい。 「ふぇ、………ッ」 「夏来、」 慌てて夏来を抱えて洗面所へ。 「んぎゃーー!!うぎゃああぁっ」 ……それはなるよな。 「熱かったね、……指だけか、良かった…」 号泣する夏来の手を冷やしながら、涙を拭ってやる。 「…泣くな泣くな」 「ゔッ……ヒッグ…」