「そう言うゆり子ちゃんは?」
「んー…私は…医療関係かな」
「そうなんだ、意外」
薬を選びながらそんなことを言った。
「少しぐらい連絡してくれたっていいじゃない」
「忙しいんだよ、医者は」
「……それもそうね」
「ゆり子ちゃんはこんな所で何してるの?」
「風邪薬買いに」
「風邪引いてんの?」
「……うん…。明日仕事だから……。
蒼くんに診てもらいたいなー……」
「えっ?」
薬を選んでいた手を止めて、振り向くと
「嘘よ!!変わってないね、蒼くんは」
「……そう?」
「じゃああたしそろそろ行くね。ごめんなさいね、買い物の所」
「いや。……お大事に」
そう言うとにこりと笑って
「ありがとう」
と言った。


