キッチンの水道で手を冷やすお母さんを見届けて、私はリビングの机を布巾で拭いた。







「……おはよ、愛優」






パパは、夏来のことを抱き上げて言った。








「おはよ、パパ」








「…眠い」










ソファに腰掛けたパパは、抱いていた夏来に寄りかかってまた目を瞑る。








その時キッチンから、水が滴る布巾を手に巻いてお母さんが来た。









「ね、愛優……あっ」









パパのことをみるなり、少し嫌そうに一歩後ずさり。










「季蛍」








「………お、……はよ」









「何してんの?手?」









「……」