「……なんかちょっとやりにくいんだけど」
「なんで?」
「……見られてると」
「……いーじゃん」
「……で、何?可愛いことって…」
「……カレンダー」
「……あ、えっ……」
『見たの!?』
と小さく声を上げて、俺を見つめた。
「見たよ。……赤いハートマーク」
「う……」
恥ずかしそうに俯く陽。
「……バレちゃったんだ」
「あんな目立つカレンダーに書いたらバレルよ」
「……」
「可愛いな、すること」
そう言って口を開ければ、陽が菜箸で掴んでいた玉子焼きを入れてくれた。
「……ばかぁ」
「…おいし」


