「じゃあ……ありがとな。ほんと、助かったよ」








「いえいえ。……別に大したことしてないですよ」










「高島、やっぱ季蛍の主治医だわ」










「えぇ?ハハ、そうですよ?」









高島は俺たちを見送るように、診察室の入り口の所まで来た。












「ありがと。………高島が主治医で良かったよ」












「やッ、やめて下さいよ~。照れるじゃないですかぁ」













「…ふふ」










「じゃ、お大事に」






「うん」












季蛍を抱えて部屋を出れば










「薬貰うの忘れないで下さいよー」











なんて言う高島の声が背に響いた。