それから数十分。
「蒼先生ー、戻りました」
季蛍を抱えた高島が戻ってきて。
「…あれ、寝てんの?」
「起きてますよ。さっき吐いちゃったんです、検査の為に薬飲んでもらったら。」
「この頃ほとんど食べてなかったからな」
「……とりあえず、一通り検査終わったんで。検査結果、伝えます」
「…うん」
「えーっと……季蛍はですね」
「うん?……」
「ストレスからきてる目眩ですね。特に異常はないです」
「………は?」
「大丈夫ですよ、季蛍」
スラリと言うもんだから、季蛍と高島を交互に見つめてしまった。
「だって高島ヤバいかもって……」
「ハハ、すいません。大丈夫でしたね」
「……俺マジで心配したんだからな」
「すいません…」
「もぅ……。誤診」
そう言って高島の背中をバシバシ叩く。
「でも良かったじゃないですかぁ~。十分に休んで、薬飲んでたら良くなりますよ。」
「そっか……安心した」


