ガラガラッ……─── 「すいません、電話来ちゃって」 高島先生はまた向かい側に腰を下ろした。 「二人でそんな怖い顔しないで下さいよ~」 「だって」 「大丈夫ですよ~。季蛍、ちょっと頑張りすぎてるだけだよね」 そう言って高島先生は私の服のボタンを開けていった。 「長年季蛍の主治医やってきてるんで。安心してくださいよ~蒼先生」 こんな重い空気の中でも、高島先生が言えば何でも大丈夫な気がしてきてしまう。