病院の中に季蛍をお姫様抱っこして入ると、待ってくれていた高島が手招きをした。 「蒼せんせー、こっちでーす」 季蛍は病院の雰囲気に飲み込まれたくないのか、俺の胸元に顔を埋めて俺の服を離さなかった。 抱っこしているからこそ感じる体の震え。 よっぽど不安なんだと感じさせられて…。