目を開けると、ぼんやり……目の前には真っ暗な視界。
体を起こせば、目の前が歪んだ。
「わ、……」
急な視界の歪みにも耐えようと、布団をギュッと握る。
ふと隣を見ると、ベッドの上で仕事をしている蒼がいた。
「……あ、起きたの」
仕事の手を止めて、蒼は私の体を引き寄せた。
「……辛いな」
まるで自分が辛いみたいな目をして、蒼は私の目をみつめた。
私がどんなに体調を崩しても……
私が何回具合が悪いと泣きわめいても。
文句一つ言わずに、蒼は私の側で…助けてくれる。
いつも…。
そんな蒼の優しさに胸が痛んで、目には涙が貯まっていった。
「……なんで泣くの」
蒼の手は私の涙を拭い、そのまま私の頬を包んだ。
「……泣き虫」
私の唇に、蒼は自分の唇をそっと重ねた。
「…ちょ、」
ひさしぶりな……懐かしいこの感じ。