また暴れるんじゃないかという不安まで襲う。 遥人くんの腕に刺そうとした針を持つ手が小刻みに震えた。 「………」 隣で片付けをしていた蒼は、私の手元を見て不思議そうにのぞき込んでくる。 「…季蛍、手」 「だい…じょぶ」 小さい子の腕は細くて、血管も細いから…集中しなきゃいけない。 それなのに、暴れる怖さと失敗したらどうしよう…なんていう不安が、私の手を震えさせた。