立ち上がって、左足に体重をかけるように歩いた。
前を歩く高島先生が振り返り、
「……どうしたの」
……と聞く。
私は反射的に足を止め、「別に」と笑った。
「……なぁ、季蛍歩き方変じゃない?」
もう既に見られてたみたいで、高島先生は私を見つめながら言った。
「べ、別に……私は歩き方が変な人なんです」
「…は?」
「………」
「…足、痛いの?」
「……」
「嘘ついてもいいことないよ…」
「……はい」
小さく頷けば、「コケた?」と手を引かれて言われた。
「まぁ…コケて捻ったかも」
「コケるとかぁ……どじだなぁ」
「知ってます!!……言わないで下さい、ヘコむから」
「ふはは、はいはい」


