────ガラガラッ
「わっ…びっくりした……蒼先生かと思った…」
「あー、ごめんね。私」
「…季蛍先生」
「蒼がね、果織ちゃんの検査の準備しといて欲しいって言ったから来たよ~」
「蒼先生来れないの?」
「今はちょっと患者さんのこと診てて…手離せないんだって。」
「そっか」
「果織ちゃん…さっき島内さんに貰ったんだけどね。
……これ、今日のお昼ご飯のお椀の中に入ってたって」
そう言って私は二つ入った透明の薬の袋を見せた。
「……え、あ…わ、私のじゃないよ…」
「島内さんがちゃんと確認してくれたって。果織ちゃんのお盆の上のお椀だったって」
「………蒼先生に隠してる…んだ、今日お昼に飲まなきゃいけない薬飲んでないこと…」
「だめじゃん~。飲まなきゃ」
「……だって」
「まぁ…私も人のこと言えないけど……」
ぽつりと出てしまった言葉に、私は急いで口を塞いだ。
「季蛍先生も何か隠してるの~?」
「………」
「蒼先生に」