「季蛍は昔子供五人ほしいとか言ってなかったっけ」 そう言いつつ仕事の資料に目を通した。 「………五人?言ったかも…」 「はは。……もうその夢はないの?」 「……愛優と夏来がいればいーの。子供は人数の問題じゃないもん」 「うん…良いこと言うな」 俺も季蛍の言ったことに同意。 「……それまでだって恥ずかしいし…」 「…何、それまでって」 「………それま…での………」 「…ふは、季蛍らしい」 「………」 季蛍が持っているトマトみたいに顔を赤くして、季蛍は手元の作業を続けた。