「んー……じゃーねー季蛍。昼までに熱下がらないようなら薬変えようか」
「…………」
「熱って…本来なら薬使えば下がるものだからさ。」
季蛍の渋々頷いた様子を見て、高島は少しはにかんでから
「じゃあ蒼先生……点滴ここ置いとくんで。僕嫌われちゃってますからー……」
「……なんで?」
「この前失敗しちゃったんですよ、一回だけ。点滴…」
「あぁ。なるほどね」
「まぁ~…嫌がって腕バタバタさせた誰かさんが悪いんですけど」
「結局は季蛍のせいか」
「動くから危なかったんですよ、ほんと。しばらく血止まらなくって。それが季蛍…多分トラウマなんでしょうけど…」
「まぁ自業自得。了解、じゃあやっとく」
「はい~、お願いしまーす」
高島はそっと部屋をあとにした。


