二人きりになった部屋には、季蛍の泣く声が響く。 「…ごめんね、待たせちゃった?」 目から溢れる涙をそっと拭いながらも、俺は頭を撫でてやる。 「…ッグス、ヒッグ、」 頭を撫でたその手で、前髪と額の隙間に手を滑り込ませて触れた。 「……あーつい。季蛍熱下がんないね」 「……うん」 「だから高島が点滴入れてくれるって言ってるんじゃない?……ほら」 「やだ!!」