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枕元の携帯が鳴って目が覚めた。
手探りで携帯を探しつつ、体を起こす。
「…もしもし」
「あ、蒼先生。すいません、こんな朝早く」
「んー大丈夫。どうかした?」
枕元の電気をつけて辺りを照らしながら、俺は耳を澄ませる。
「季蛍、泣きじゃくってます」
「……そろそろそうなるとは思ってたんだけど」
苦笑いしながら、目をパチパチさせてまだ眠りかけている脳を起こす。
「……蒼先生、まだ来てないって言ってもやだってしか言わないんですよ。…ほんと、どうします?」
高島の困っている様子は、きちんと俺に伝わる。
「そっか。まぁそろそろ向かうよ、病院」
「ほんとすいません…」
「大丈夫。どうせもうすぐ起きるはずだったから」
「あ、ちなみにこれ季蛍の携帯からなので。
ほんとは季蛍が蒼先生と話す予定だったんですけどね。でる間際になって携帯俺に押しつける羽目になっちゃって」
「え、あ、そうなんだ。わかった」