高島に30分待つ、と言われてから10分。 隣にいる季蛍から感じる呼吸が急に変わった。 これまで正常に息をしていた季蛍なのに、急にゼーハーと喘息のような……過呼吸のような呼吸の仕方。 「……季蛍?」 顔をのぞき込んでみると、あまり酸素が回っていないのか…真っ青だった。 「…季蛍、苦しい?」 季蛍は周りの目を気にして、あまり自分のことで騒がれるのが嫌いだから、俺は小声で季蛍に聞いてみる。 「……、」 「…苦しい……ね」 首を振るけど、明らかに辛そう。