お鍋がグツグツと音を立てた頃、







────カチャ








と玄関が開く音がして。









「あ、港くん…」










キッチンから出ると、リビングには港くん。










「え、あれ?季蛍さん」









「あ、おじゃましてます。」











「陽とお茶でもしてた?」










…あ、港くん知らないのか。











「いや……陽さん、今8度熱があるんです」












「はっ?」









「……陽さん…風邪…悪化してて」










「あ……それで季蛍さん来てくれたの?」









「はい…」










「なんだぁ…ごめん、迷惑かけちゃったね。ありがとう」









「いえいえ、大丈夫ですよ」











「陽風邪引いてんのか……」