指で口を開けられて。
閉じようとするけど…できなくて。
その私の口の中に入ってきた…たくさんの粉末。
薬……だ。
口の中に無理矢理入れられて、その後水を流し込まれた。
それでも…驚異の苦さに思わず吐き出しそうになる。
でも…吐き出すと怒られると思って必死に押さえていた。
でも飲み込むこともできなくて。
咳をした拍子に、口の中の薬を吐き出しそうになった。
でも…芙羽が片手に持っていたタオルを口元に持ってきてくれて。
「ゲホッ、ゲホゲホ…ッ………グス、ゲホゲホ」
なんとかゴクリと飲み込むと、自然と涙がさっきより溢れてきてしまった。
……薬すら飲めないくせに、号泣しちゃうなんて。
迷惑……かけてばっかり。


