家族で久しぶりのショッピングモール。
滅多に行かないから、夏来の朝のテンションといったらもう。
酔いやすい愛優は車の中で飴玉を舐めながら、ものすごい険しい顔をしている。
「……愛優…そんな険しい顔しなくても…」
「だって…。」
「後で薬、買う?」
「…着いてからでいいや。」
「そう」
心配だから、と俺の隣……つまり助手席に座る愛優は…窓の外を見ながら言った。
後ろに座る季蛍も、窓の外を見ながら服をぎゅっと握っていて。
「……酔いそうなら何か口に入れろよ」
「…わかってる…大丈夫」
「夏もあんめー食べゆ」
(アメ)


