用事を済ませて医局に戻って、続きをしようと腰をかけた。 「……あれ?」 紙の束がない……。 「………えっ?」 意味がわからなくて、立ち上がって席を確認してみた。 「……いや、俺ここだよな」 ……? 「芙──羽」 「……蒼」 「…はい」 蒼の手の中には、あの紙の束。 「…あ。あった」 安心して息を吐くと、 「…中身、見てみ」 「………中身」 パラパラと紙をめくると、どれも仕上げられていた。 「な…んで?」 「ふふ」