「凜、今から病院行く?」 腕時計を見てから凜の頭に手を置く。 「…全然平気、全然大丈夫」 「凜……。」 「へへ、大丈夫だよ」 ………どこまで頑張るんだろう。 「……もう無理しなくていいから」 「……無理なんか…───」 そう言った凜が握っていた俺の服。 その握る力が、一瞬弱くなったかと思うと、凜はそのまま俺に体を預けて目を閉じてしまった。