翌朝の凜の体温は、9度越えを叩き出した。
「…凜、薬」
ベッドの上に座って、ぼーっと遠くを見つめるような目をする凜の口元にコップを近づける。
「……凜、」
「飲ま……な…きゃ……ダメ……?」
顔色の真っ青な凜に言われて、思わず首を振ってしまいそうになる。
「……熱、下がらないからさ。
多分これ飲んだらお昼には下がるから」
「……ふ…、仕…事?」
「俺仕事。……今日はな」
「じか……ん」
「ん?…あぁ。」
時刻はとっくに9時を過ぎている。
「大丈夫、今日遅れるって連絡してあるから」
「私…の…為?」


