港の優しさはいつもさりげないところにある。








この毎晩抱きしめてくれるのも、きっと妊娠している私に気を遣っているんだろう。








だけど…聞けば








「気ぃなんか遣ってない。




ほんとに………陽見てると抱きたくなっちゃう」








そう言って笑ってくれる。







「…陽、もう夕飯作んなくていいよ」








「やだ」










「……だって」










「だって赤ちゃん大きくなったら動けなくなるじゃん、その前に作っておきたいの。

やれることはやっとくの」










「……そっか」










「港もパパって呼ばれるんだ」









「……あんま実感ないけど」