────「いただきます」
「…………いただきます」
港に続いて私もスプーンを握る。
港は一口食べ物を口にしたあと、
「……さっきの話。……お願い、聞いて」
「………」
「……陽が嫌がるようなことじゃない。ただ…約束してほしいから」
「…………わかった」
「………陽は元々体が強い訳じゃない。
だから……すぐに風邪引いたり…することあるでしょ?
まぁ……たまに。でも妊娠中って薬飲めないの」
「………飲めないの?」
「うん。……だからね、陽が無理すると赤ちゃんにも負担かけることになるでしょ」
「……うん」
「だから俺と約束してくれる?」
「………何を?」
「隠し事はしない…って」
「隠し事……」
「体調悪いの黙ってたり…何かあってもため込んだり……絶対するな」
「……」
「陽は頑張りすぎるところがあるから」
「…う、……ん。」


