そのことを聞いて余計嫌になった。
何か私を否定される気がして。
「……あのね、陽は…」
港がそう口を開いたとき。
「…ちょっと味濃くなっちゃったんだけどいい?」
話を遮っていた。
「……う、ん。……ねぇ。陽」
話を続けようとする港。
「…薄めた方がいい?」
どうにか話を逸らす自分がいた。
「……陽ってば」
「………聞きたくない。」
「聞いて。……大事なことだか…」
「嫌だ…聞きたくないっ」
鍋の蓋を閉める音が強く響く。
手に力が入って……しまった。
「……………」
港は口を閉じて、またパソコンを見つめ直した。


