「早退?」 「う、うん…」 ………怒ってる? 「そう」 「……」 パパは何か考え事をしたように、首を捻らせてから 「体調悪くて?」 「…そ……その……。 熱…8度あって…────」 「…8度ねぇ」 パパはリビングのテーブルに一度頬杖をついて、右手に握られたペンを二回ノックしてから、 「……ちょっと待ってて」 その一言残して、寝室へ行った。