「季蛍、ほら自分でもっかい。」
そう言って携帯を渡すけど、受け取ってくれず。
「あー…はは、ダメだ。季蛍さん落ち込んじゃったよ」
『落ち込んじゃったんですか?何か急に風邪粉っていうから何のことかと』
「粉じゃなくて、錠剤飲んでも良いか聞きたかったの」
『ああ、なるほど』
「……季蛍が粉薬嫌だって」
『いや…飲めるならいいんですけど。中途半端に飲んで、もう一回粉薬飲む…なんてことないようにしてほしいんですよ。
……季蛍、結構薬に敏感だから」
「…うん。了解」
『あ、今日病院来るんでしたっけ?』
「何とか連れていけたら」
『わかりました。季蛍に待ってる、って伝えといて下さい』
「うん。…じゃあ…ありがとう」
『いえ。』
「じゃ、後で」
『はい~。失礼しまーす』


