高島に発信されている携帯電話を渡すと、恥ずかしそうに頬を真っ赤にさせちゃって。
しばらくすると出たみたいで、
「…もし……もし」
いつもは普通に話している季蛍も、何故か電話越しだと恥ずかしいらしい。
「……はい、。
…えっと……その……あの…」
………動揺しすぎ。
「……飲める…んです」
きゅ、急にそれ言ってもわかんないだろ。
「えっと……だから………あの…粉のやつ…
あ…だから………その…風邪……粉…」
主治医にすら『錠剤を飲んでも良いか』ってことが聞けない季蛍に、思わず笑ってしまう。
でも笑うといけないと思って笑いをこらえていたけど、そんな俺に気づいたらしく
「も、や、やぁっ」
と携帯電話を布団の上に置き去りにして、掛け布団に顔を埋めてしまった。
「ははっ…季蛍、ごめんって~。」
と言いつつも携帯電話を取って
「あーもしもし?ごめんごめん」
『蒼せんせー。なんですか?風邪粉って』
「はは、もう季蛍ー。……ごめんごめん、笑ってないよ」
「笑ってたっ」


