「……薬だけ飲ませとこ」 そう言ってパパは薬箱を漁る。 とその時、部屋から顔だけだしたお母さんが、人差し指をたてて 「しー…」 と寝室を出て行く。 「……季蛍っ!!」 まだ薬箱の方を見ていて漁っているのに、気づくパパの勘って……。 「何してんの?」 振り返ったパパは、お母さんを睨む。 「……ココアの匂いするから…飲みたくなっちゃった」 はあぁ…とため息をついたパパは、 「じゃあ薬飲む前に飲んで」 「やったー」