「嘘じゃないよ?ほんと、ほんとなの…」
「嘘つくなって言っただろ。
……お前バレバレ。俺が気づかない訳ないだろ…」
呆れたように芙羽は笑った。
「……気づいてるよ。帰ってきた瞬間から。
おかえりって言う声で。……わかるから」
「う、嘘だ…」
「ほんと。……いつ言うのかなって思ってた。
………それもな」
指が指された先には、赤く腫れ上がる火傷の跡があった。
「それは黙ってちゃいけないやつじゃない?」
「………」
全て、何もかも……必死に隠そうとしていたことがバレていたと知ったと同時に、
バレているのにも関わらず、必死で隠し続けた自分が恥ずかしくなって、芙羽の胸に顔をうずめた。
「………どうりで泣きそうだと思ったら。痛いだろ、こんなに腫れてると」
芙羽の細い指先が、腫れた火傷の跡に触れた。
「いっ…」
「冷やしもしないで。……ほんとおバカさん」
そう言って抱え上げられた。


