それから季蛍と俺と…偶然手の空いていた港と院内を回っていた。








「…いた!?」










首を振る季蛍も、なんだか焦っている。










「……どこ行ったんだ」










「蒼………外、行った…とか…ないの?」










「病院から抜け出すなんて…。そんな簡単にできることじゃないけどな」











いくら小さい子供だからといっても、この大きな病院で看護師や医師がいるのだから、目の届かないはずがない。











たまたま誰も目撃しなかったのか、たまたま上手く脱走したのか。











……そんなことより、まだ見つからない現在は、とにかく無事でいてくれることを祈るのみだった。